ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

親の意識改革とこどもの準備性と。

師も走る年の瀬,息子の通う小学校も冬休みに入りました。

今年の4月からこのブログを書き始め,話題はあちらこちらに跳んだりもしていますが「こどものこころをのびのびすくすく育てる,発達を支え促す」ことを中心テーマに据えるということは変わらずに続けているつもりです。

この9カ月を振り返ってみて思うことは,私自身が息子との関わりをずいぶん変えた気がするなぁ…ということです。 以前より息子に対して細かいことまで厳しく注意するようになったのを自覚しています。

でも,私と息子との関係性には大きな変化はありません。たぶん彼から見た私は,もちろん衣食住の世話をしてくれる人であり,面白い遊び相手でもあり,頼れる(?)相談相手でもあり,普段は優しいけど怒らせたらいちばん怖い人,といった位置づけでしょう。

私が息子に対して細かいことにも厳しく言うようになったのには,大きくふたつの理由があるように思います。

ひとつは,中田大地くんの本を読んだこと。

花風社から「ぼく、アスペルガーかもしれない。」「僕たちは発達しているよ」「僕は、社会(みんな)の中で生きる。―お家で、学校で、アスペルガーの僕が毎日お勉強していること」の3冊が出ていますが,どの本のなかにも親御さんや学校の先生など大地くんにとって大事なおとなとの出会いのなかで発達していく大地くんの姿がくっきり浮かび上がり,とても感心させられ,また考えさせられました。

ぼく、アスペルガーかもしれない。

ぼく、アスペルガーかもしれない。

  • 作者:中田 大地
  • 出版社/メーカー: 花風社
  • 発売日: 2009/12/01
  • メディア: 単行本

僕たちは発達しているよ

僕たちは発達しているよ

  • 作者:中田 大地
  • 出版社/メーカー: 花風社
  • 発売日: 2010/10/21
  • メディア: 単行本

これらの本を読む中で,息子の育ちを支える私自身が彼ががんばるべきことを今のうちからもっときちんとがんばらせてやらねばならないと強く感じたのでし た。

もうひとつは,息子本人の「準備性(Readiness)」が整ってきたこと。

言っても伝わらないうちから本人にできそうにもないことをガミガミ言って責めても仕方ない。 「本当はこうするべきで,次からはがんばってみよう」とは伝えるけど,失敗しても見捨てられたりしない,これからできるようになるのを親は応援してくれている,と彼に感じてもらえるように関わろう,と見守る姿勢を取ってきたのがこれまでの私。

息子自身の「こういうときにはこうすべき」という知識も蓄積され,気をつければそれを実行できるくらいのセルフコントロール力がついてきた今なら,もっと要求水準を上げてもいいんじゃないか,と今年度の特に後半に入ってから思えるようになりました。

何よりも,息子自身が「難しいけどやれないことはないかも,できたほうがいいに決まってる,できればやってみたい」と思っているのが感じられるようになってきたのです。遅ればせながら前頭前野が育ってきたのですね。

今のところ,私のソフトなギアチェンジはそれなりに奏功してくれているよう。 新しい年を迎えても,息子のがんばりはもちろん認めつつちょっとずつ負荷を上げるという方針で彼の発達を促していきたいと思います。

さて,このブログもここで冬休みをいただきます。次回更新は1月4日以降の予定です。 今年の4月のスタート以降,ずっと応援いただきありがとうございました。 来年もどうぞよろしくお願い致します。

それではみなさま,よいお年をお迎えくださいませ。