ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

クラスの子が不登校になったときに心配してくださっている先生にお願いしたいことは…

不登校の子どもと,担任の先生

不登校や学校に通うのがしんどくなっているお子さんとお会いするとき,あたりまえですが必ず話題にのぼるのは担任の先生のこと。

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お子さんも親御さんももちろんそれぞれですが,担任の先生も本当におひとりおひとりそれぞれだなぁ…と感じています。

学校に通いづらいお子さんも,そのお子さんを見守る親御さんも苦しいと思うのですが,きっと学校の先生もおつらいのだろうなぁ…と思えるケースもたくさん。

お子さんの状態にはあまりおかまいなしに(と私には思えてしまうのですが…)とにかく夕方に「明日は学校においで」などと毎日のようにお子さんのお家に電話をかけたり,翌日の時間割をFAXで送ったり,お家へ毎日訪問したり。

お子さんが,その子にとって最も安心できる先生(たとえば養護教諭,教頭先生,去年の担任,…)と会う約束をしてどうにか学校にやってきたとき,強引に(とまたもや私には思えてしまうのですが,少なくとも打ち合わせも予告もなしに)顔を見せに来られたり。

熱心に関わろうとしてくださっているのはわかります

お子さんや親御さんのお話をお聞きしているといろんなパターンがありますが,とにかく学校に来てほしくて必死でお子さんとコンタクトを取ろうとされる先生は結構多い印象があります。

親御さんが間に入って上手に交通整理(学校からの連絡は母親の携帯へください,とお願いするとか)されている場合もあれば,我が子にとっては負担になっているのは感じていても,先生の厚意や熱心さを思うと申し訳なくて断れないんです…と診察室で打ち明けてくださるケースもあって。

先生方にお願いしたいことは…

先生方に,声を大にして伝えたいと思います。

お子さんが登校できなくなってからお子さんとよい関係を築こうとするのは無理があります!!

と。
子どもたちだって決して学校を休んでへっちゃらなわけではなくて,行ったほうがいい,行かなきゃいけない,と思っていても登校できないというパターンが大半です。
だから,いくら先生から急に熱心に呼びかけられても,それで「じゃあ行こうかな♪」とはなれなくて。
たしかに1日や2日は無理して登校を試みるお子さんもいるにはいるのですが,それはやっぱり先生への気遣いであって,本人が本当に登校したいと思えたからではないはずです。

自分のクラスの児童・生徒さんが不登校になると,たぶん責任感や使命感がむくむくと湧いて,なんとか学校へ戻してやりたいと思ってくださるのでしょうし,もしかしたら上司や先輩の先生からもプレッシャーが掛かったりするのかもしれません(これは,ただの想像・妄想ですが…)。

でも。
お子さんや親御さんが実際に望んでいる学校からの支援は何なのか,学校をしばらく欠席することになっても将来のお子さんにとって大事なことは何なのか…。
そんなことにちょっと思いを巡らせていただけたら嬉しいです。

そして,クラスのどの子がいつ学校に来づらくなっても子どもたちが「最近しんどいよ,先生」って気軽に打ち明けられるような信頼関係を日頃から作っていただけたら最高!とも思っています。

どうしてもそんなことを文字にしてみたくなった週末でした。