もちろん、発達障害でも働けます!!!
「発達障害でも働けますか?」を読みました
楽しみにしていた花風社さんの新刊「発達障害でも働けますか?」をようやく読了しました。
発達障害でも働けますか? 経済的自立とその先を目指すための成長戦略
- 作者: 座波淳
- 出版社/メーカー: 花風社
- 発売日: 2019/09/28
- メディア: 単行本
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少しずつ読み進めながら、私の知っている「発達障害の診断や特性を持ちながら働いている若者たち」のことを次々と思い浮かべていました。
そういう意味では、この本を読む前から「発達障害でも働ける」という確信は持てていたのですが。
発達障害でも働けるのは分かっていたけれど…
ただ、この本を読みながら改めて気づいたことは、彼らがみんな「発達障害の特性に特化した仕事でうまくいっているとは限らない」ということ。
たとえば、学校へ通えなくなってもデイケアにきちんと通えるようになっていたAくんが、会社に入ってからも無遅刻無欠席できちんと通い計画的に有給休暇をもらっていたり。
ひとつめの高校に通えなくなって通信制高校に転校したBさんが、やはり遅刻せずにきちんと通勤できていたり。
AくんとBさんはそれぞれ違う職場、公的機関と民間企業で働いていますが、2人とも「障害者枠で事務職」という共通点があります。特に事務系の資格や経験があるわけではないのですが…。
面白いことに働き始めた当初は2人ともが「仕事が少なすぎて 時間が余る/することがない のが悩みです」と私に打ち明けてくれていて。
障害者枠だから無理させちゃいけないと遠慮されているのか、障害者だからどうせできないと思われているのか、…???
それぞれ無事に就職できたことは嬉しかったのですが、私自身も2人の職場での様子をハラハラしながら聞かせてもらっていました。
ところが。
「上司が時々、ちょっとこの資料を作ってくれるかなって、突然普段と違う仕事を振ってくるようになりました。初めはびっくりしたけど、そういう無茶振りにも少しずつ慣れてきました」
「先月ひとつ新しい仕事が増えたんですけど、今月からまた新しい担当の業務が増えたんです。だんだん暇な時間がなくなってきてちょうどいいです」
と半年ぐらいのうちにそれぞれの能力に合った仕事がしっかりあてがわれるようになりました。
うまく働けているこの2人の共通点は?
やりたい以外の業務でも、真面目に一生懸命、健康を害さず仕事に取り組むことができる。
まさにここができているから、職場でも彼らの様子を見ながら彼らにできる範囲で少しずつ仕事の負荷を上げてくれているのだと思います。
もちろん周りの人と彼らなりにコミュニケーションを図っている様子も、話してくれるエピソードから伝わってきます。
学校の文化がすべてじゃない。
社会の職場のルールをしっかり守って真面目に自分に与えられた役割を果たすことができれば、発達障害特性があってもなくても社会は彼らを受け止め、必要としてくれる。
それが可能になるために何が必要で、どんなことに気をつけたらいいのか。
その大切なポイントがしっかり書かれた1冊でした。
そして読むにつけ、私のほうがAくんやBさんより社会性低いかも…と反省したりもして(笑)。
働いている人、これから働きたい人、就労支援に携わる人、誰にとってもなるほどと思える情報と出会える本ではないかと思います。
巻末付録も、今まで興味を持って学んできたことの頭の整理にとても役立ちました。とってもオススメです!
この本も待合室の本棚に置こうかな♪