ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

またもや、運命的出会いの予感…

袖振り合うも多生の縁…

またしてもSNSのどこかで偶然出会った1冊。
もしかしたらAmazonからのオススメだったのかもしれないけれど、何かの拍子に気になって、とりあえず購入して、そのままになっていた本にやっと手をつけました。

限界を超える子どもたち──脳・身体・障害への新たなアプローチ

限界を超える子どもたち──脳・身体・障害への新たなアプローチ

サブタイトルの「脳・身体・障害への新たなアプローチ」を見てしまったら、手を出さずにはいられません。

脳の可塑性!

著者のアナット・バニエルさんは、フェルデンクライス博士のお弟子さん。

フェルデンクライス・メソッドは、自分の身体の動きや動かし方への気づきを深めていくレッスンの流派のひとつ(たぶん、とてもざっくり言えば)。
一時期関心があって本を読んでみたりしましたが、基本はグループレッスンらしく、独学でできるものではなさそうだと断念した記憶があります。

アナット・バニエルさんは、ご自身もダンサーで、ダンサーやの痛みに対する身体アプローチを専門にしていた方。
でも、半年間の理学療法にも反応がなく、小児神経科医も予後に絶望していた1歳児が、フェルデンクライス博士の介入の中で自分の身体への気づきを持てるようになっていく様子を見たことをきっかけに、障害や困難を抱える子どもたちの支援に踏み出したそうです。

「脳にはみずから変化する力があり、支援が必要な子どもの脳の働きを助ける方法がある(p.35)」

…まさに脳の可塑性! このフレーズを声に出して読んでみるだけで武者震いしてしまいます。

子どもは「直すべきモノ」じゃない

アナット・バニエルさんは「その子ができないことをさせようとするのは、子どもを故障したモノのように直そうとする行為」と指摘します。

子どもは自分のできることならとっくにしている。
子どもに答えを押し付けるのではなく、子どもが自分の脳を使って困難を乗り越えられるように大人がサポートすればいい。

支援が必要な子どもを助けたいと心から思うなら、できないことをさせようとしないこと(p.40)

という言葉にギクッとします。
できないことをさせようと息子に無理強いしてしまったこと、ちょっと振り返ってみても今までいっぱいあったなぁ…と。

大人が手伝えることは、子どもの脳を目覚めさせ、子どもが自分の脳で解決方法を生み出していけるように導いてあげることなんですね。

そうすれば、そのやり方は子どもの脳が自由な発想で生み出してくれるはず。

第I部を読み終えて、この本を読むと選択したことは間違ってなかった…と嬉しさが抑えられません。

第II部では「9つの大事なこと」が紹介されているようなので、このまま楽しみに読み進めていこうと思います♪