ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの準備性を見極めるため、大人の✕✕✕を磨こう!

親は子どもに期待をかけるもの…

親子あるあるだと思いますが、親のほうは子どもに「こうあってほしい」「このくらいできてほしい」という期待や目標を持っていて、でも実際の子どもの言動が親の期待するレベルには現状届いていないとして。

そんなとき、親としては叱咤激励し、発破をかけ、なんとか親の期待値をクリアさせようとしたくなるもの。

発破をかければかけるほど子どもが伸びるならそれでいいのですが、残念ながら親からの叱咤激励の強さや多さと子どもの達成レベルは全然相関しないんですよね。

そして相関しないがために「こんなに言ってるのにどうしてわからないの/できないの/やらないの?」と親がもどかしくなってさらに叱咤激励を強めたり増やしたりすると、子どもの委縮や反発を招いて、ますますうまくいかなくなる。

そんな親御さんの「心配なあまりの空回り」を何度もみてきましたし、私自身もこういう空回りをしてしまったことが何度もあるなぁ…と思い返して反省しています。

子どもの準備性について考える

ところが。
親御さんの空回りがピタッと止まる瞬間もこれまた何回も見させていただいたことがあります。

親が何度起こしても遅刻ギリギリまで布団から出なかった子どもが突然自力で早起きして朝練に行くようになったり、どんなに親が声をかけても学校の課題も出さず試験勉強もろくすっぽしなかった子どもが自分から意欲的に勉強に取り組むようになったり。

嬉しい変化が起きた親子にはいつも「どうして急にできるようになったんですか?」などと根掘り葉掘り質問してみるのですが、親御さんもお子さんもこれといって心当たりがない、ということがまた少なくなくて。

そんなとき、あぁ…きっと子どもの「準備性」が整ったんだな、と思うのです。

子どもの「準備性」については以前も中田大地くんの本に刺激を受けて記事にしたことがありましたね。

「準備性(readiness)」という言葉、ここ数年、私の中の注目ワードです。

大切なのは、大人の観察力!

今読んでいるこちらの本に出てきたフレーズ、

「子どもは自分のできることなら、とっくにしている」

限界を超える子どもたち──脳・身体・障害への新たなアプローチ

限界を超える子どもたち──脳・身体・障害への新たなアプローチ

が心にズシンと響くのは、子どものできることとできないことを大人がしっかり見極めるのことの重要性を突きつけられるから。

準備性の整わないことを責めても子どもが即座に克服できるわけじゃないし、子どもが次のステップへの準備性を整えたことに気づいたら大人の関わり方も変化させないといけないし。

心であっても、身体であっても、大人が子どもの状態を丁寧に観察して把握することの重要性は変わらないみたいです。

そもそも心と身体は分けられないものなのかもしれませんが…。

子どもに対する観察力、磨きをかけたいですね。