ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

餅は餅屋! でも油断は禁物…お世話になります、就労支援。

スムーズな就労に役立つパスポート

ひきこもり状態からの最初の脱出口として私たちの職場を訪れてくれた青年たちは、数カ月~数年を経て社会へ飛び立とうとします。

そのままアルバイトを始める人もいますが、どうしても「いきなり職場」の前に踏み台がほしいという人たちは障害者手帳を取って就労支援機関でトレーニングを積むことを希望されます。

「早く働きたい、でも自信がなくて…」と相談してくださった方には、必要な期間だけ障害者手帳を使ってみてはどうかとお伝えしますし、ご本人やご家族のほうから「手帳を取って就労支援を受けたい」とご相談があってから一緒に検討するケースもあります。

手帳なんて、ご本人に役立ってナンボ。
こちらから無理に押しつけるものではないし、でも「手帳があったほうがスムーズにがんばれる」と自発的に思ってくださるのであれば喜んで申請のお手伝いをしたいと思っています。

就労支援機関さま、いつもお世話になってます!

手帳を取得してから、それぞれに合った就労支援施設を利用することになるわけですが、就労継続支援A・B型、就労移行支援、ハローワーク専門相談窓口などさまざまな機関にお世話になります。

私は就労のプロではないので、およそどのくらいの難易度のどのくらいの量のお仕事ができそうな人なのかぼんやりイメージすることはできても、具体的にどんな業務が向いていてどんな場面で困難を抱えやすいのかといったことまではうまく想像できなくて。
なので、そのあたりも含めてきめ細やかに評価して練習を積ませていただける就労支援機関さんにはいつもとても助けられています。
何事も「餅は餅屋」ですよね!

でも「安心して丸投げ」は禁物!

自分の患者さんが就労支援機関に繋がった後ももちろん診療は続けていますし、お世話になっている就労支援機関さんとことあるごとに連絡を取らせていただいたりするわけですが…、

とても努力家で礼儀正しくて週5日きっちり通えている青年がいつまでたっても施設内での単純作業から卒業する話が出ないというケースがあり、ちょっとやきもきしていました。

本人は充実して通っている様子だったのですが、親御さんの不安も高まってきたため、本人担当の外部機関のコーディネーターに現状を報告したところ、円満に他の就労支援機関へ移らせてもらえて、その後たった2カ月で企業の見学会を経て採用前提の実習へと話が進んだのでした。

・・・もしかして囲い込まれていた?!

元の施設にいてもこのくらいのタイミングで企業実習に行かせていただいていた可能性はゼロではないと思うのですが、やっぱり100%おまかせにしないでしっかり様子を見守らせていただくのは大事だな、と思ったできごとでした。

本人が信頼して通っている施設に対する疑念を伝えるのにはちょっとためらいがあったのですが、もっと早く介入してあげられたらよかったな…ごめんなさい。
親御さんが勇気を出して私に声を上げてくださったこと、コーディネーターさんが迅速に動いてくださったことにとても感謝しています。
ご本人のためにチームで動くのはやっぱり大事ですね!