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こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの発達と感覚統合:第6章 発達性行為障害:運動企画障害

発達性行為障害:運動企画障害

立ち止まらないように、止まっても再び動き始めるように、と続けている感覚統合本のひとり読書。

子どもの発達と感覚統合

子どもの発達と感覚統合

  • 作者:A.Jean Ayres
  • 発売日: 1982/07/01
  • メディア: 単行本

3日に一度は投稿しようと思っていますが、どうしてもこの章をのことをなかなか投稿できなかったのは、読むのをサボっていたわけではなく(笑)、読んでも読んでも頭に入ってこなかったから。

たぶん、私自身の身体が苦手としているせいでピンとこないのだ、と途中で気が付きました。
でも先へ進みたいので、この章はサラサラッと読んで終わります。

第6章 発達性行為障害:運動企画障害

・運動の5つの側面:滑らかなコントロール(ピンを摘まみあげる)、姿勢反応(寝返り、片足立ち)、生得的に中枢にプログラムされた運動パターン(はいはい、歩行)、特殊な高値運動技能(結び目を作って紐を結ぶ、アルファベットを書く)、運動企画。

・滑らかなコントロールは、脳から筋肉の運動ニューロンのはたらき。うまくいかないと不随意な痙攣用筋収縮になる→食べこぼし、小さなおもちゃで遊べない、クレヨンや鉛筆が苦手。感覚統合障害とはたぶん無関係

・姿勢反応は、バランスを失うことなしに身体を移動させるときの助けとなるもの。重力に抗って首を上げる、寝返る、四つん這いの姿勢になる、などを助ける。反射的。感覚統合障害があると姿勢反射障害がみられる。

・生得的に中枢にプログラムされた運動パターンは、はいはいや歩行など神経系の成熟により当然行う動き。生得的知識はあっても、多少は運動企画能力が必要。0:6にお座りまでできてその運動技能が学べなくなる子は、姿勢反応と生得的プログラムは十分あるが、運動企画能力に問題があることに。

・特殊な巧緻運動技能は巧緻運動はその運動を学ぶ前に運動企画が必要。一旦学習すると運動企画や注意は不要にある。タッチタイピングなど。

・運動企画は、脳幹や大脳半球を通しての複雑な感覚統合に依存。初めて木に登る、(おとなでも)新しいステップでダンスするなど。

・身体知覚も重要。自動車知覚のようなもの。
・触覚情報が漠然としていると、身体近くも不正確になる、手袋をはめて書字するようなもの。
・固有受容覚(筋肉や関節からの入力)は身体近くの助けとなる。
・前庭覚は固有受容覚や触覚(皮膚感覚)と混じり合って、身体地図を周囲の感覚へ適応させる。
・子どもが自分で動けば動くほど、内的フィードバックが生じる。
・考えずに行えるようになるのが大事、知的な情報処理では感覚統合障害を解決できない。

・発達性行為障害とは、触覚・前庭覚・固有受容覚の統合を妨げ、運動企画能力を阻害する脳の機能障害。行為障害の子どもには運動企画の障害がある。
・行為障害は学業をより困難にするはず。
・発達性行為障害のチェックリスト(例:2歳でスプーンで食べる、4歳で簡単なボタンを掛ける、6歳で自分の名前を書く 等のリストあり)

ひとりごと

自分の身体知覚が弱いことは自覚していたけれど、身体知覚に関する説明さえ知覚できないことに気がついてちょっと驚きました。自分の体感として理解できないのでしょうね。
ともかく、幼児期の運動にはほぼ自動的に習得できる動きと運動企画能力を使って獲得していく動きがあること、運動企画能力を使うほうの運動の習得は触覚と前庭覚と固有受容覚を組み合わせてフィードバックを得ながら身につけるものだということがわかった。