ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例90・91)

今日もひとり読書会。

とうとう残り20ケースを切りました。継続は力なり!!と信じて突き進みます。


読んでいるのはこちらの本。


確証のための情報(3)症例紹介(症例90・91)


・(90)G.V.:1956年4月生まれのG.V.の初診は1970年7月。非常に内気で敏感で、母親からは「何も与えてはくれない空っぽの子」と評されていた。何にも興味がなく、背中が硬いので身体活動や体育を嫌っていた。二分脊椎の手術を受けた。口げんかが激しく、気難しい性格だった。メンタルヘルスクリニックで1年間治療を受けたが、何の反応もなかった。両親が彼に対して厳しすぎるとクリニックでアドバイスされた。被害妄想的な考えがあり、そのことを彼は私に相談してきた。 ナイアシンアミド1g 1日3回とアスコルビン酸1g 1日3回を与え始めた。一ヶ月後、彼はよくなり、偏執的な考えも減り、友人も数人できた。1971年1月18日、彼は学校での成績はDで、そのことにうんざりしていた。ついに彼はよい食事療法に取り組んだ。1971年4月19日、彼は変わりなかった。すべての試験に落第した。甘いものから彼を遠ざけることは不可能だった。ナイアシンアミドを2g 1日3回に増量した。1971年7月13日、2つの授業に合格したが留年することになりそうだった。私はナイアシンアミドを止め、ナイアシン1g 1日3回を始めた。1971年11月25日、9年生になってかなりの困難を抱えていた。ナイアシンを2g 1日3回に増やした。1972年1月4日、成人の身長に達し、6フィートになった。学校はそれほど困難ではなく、より集中することができた。1972年5月10日に、私はピリドキシン500 mg 1日3回を追加した。彼は正常で、平均評定Cとなった。1972年8月29日、彼は2つの授業を落としたが10年生に進級した。母親は彼を順調だと感じていたが、彼自身はまだ集中困難を自覚していた。1973年2月1日、ナイアシンを2g 1日1回に減らした。1973年4月3日、彼は元気になり、勉強が楽になった。最終評価は1111(4)であった。治療開始時に14歳を過ぎていたためジョン・ホッファーの診察は受けていなかった。多動性スコアは1970年7月9日の95→1971年7月13日の59まで低下した。


・(91) R.V.:1963年10月生まれで、1970年9月初診。彼は4人きょうだいのうち紹介されてきた3人の中で最初に来たひとりであった。一年間ほど幽霊や怪物が登場するひどい悪夢に悩まされていた。時には日中にそれらが見えることもあった。部屋で一人になるのが怖くて、イライラし、従順ではなく、時には不合理になり、筋肉のコントロールを失う傾向があった。声も聞こえていた。ナイアシンアミド500mg 1日3回とアスコルビン酸500mg 1日3回を投与した。一ヶ月後は恐怖心がなくなり、よく眠れるようになった。1971年1月20日、元気にはなったがまだ過活動状態であった。1971年7月13日、状態は変わらなかった。私はアミドを止め、ナイアシン1g 1日3回を開始した。1972年1月10日、改善がないように見え、変わらずとても過敏で、よく喧嘩もしたが、知覚症状はなくなっていた。ナイアシン2g 1日3回にすると1972年2月25日までにまた改善があり、1972年6月5日までにはほぼよくなっていた。キャンプでは、1週間すべてのビタミンをオフにしていたが、再発しなかった。1972年8月28日、彼は4年生に進級できた。学校での問題はなかった。まだ頑固で、兄弟とはよく喧嘩した。1973年4月3日、母親はナイアシンを2g 1日1回に減らした。でも順調であった。1973年8月13日、ナイアシンアミド1g 1日2回投与を開始された。ジョン・ホッファーの診察を受けたとき、まだ週4日悪夢を見ていたが、目が覚めても再入眠できた。幻視があり、しばしば落ち込んでいた。彼は優良な学生で、友人も多く、家族ともうまくやっていた。薬を飲むのは嫌いだった。評価は0111(3)、かなり改善であった。彼の多動性スコアは1970年9月23日の101→1973年8月13日の49に減少した。


ひとりごと

(90)は、事例の中でも記載されているとおり初診時14歳と年齢が高いのですが、それでもきちんとビタミンを摂ることで状態が大きく改善すると知ると希望が湧いてきます。

(91)はこれから続く(92)(93)のきょうだいのトップバッターです。2年位でじわじわ効果が現れ、1週間ビタミンを中断しても調子を崩さなくなっていたのは大きな変化ですね。他のきょうだいたちの経過を読むのも楽しみになってきました♪