ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

子どもの注意や行動の障害を治す:確証のための情報確証のための情報(3)症例紹介(症例105・106)

今日もひとり読書会です。

110ケース読みも、残り2日となりました。


読んでいるのはこちらの本。


確証のための情報(3)症例紹介(症例105・106)


・(105)E.Y. 1961年4月生まれのE.Y.の初診は1968年8月。私に会う2ヶ月前から、彼は理不尽なことが多くなり、頑固になり、胃や頭の痛みを訴え、不眠となり、悪い考えを持つようになった。学校では子どもっぽくなった。怪物の悪夢を見て、幽霊も見えていた。 恐怖で目が覚めた彼は母親のところに走って行った。母親が一緒にいれば眠りにつけた。彼は日中起きているときにも同じ幻覚が見えていた。また、幽霊が自分に話しかけてくるのも聞こえた。彼は、幽霊が本物だと信じており、誰かが自分の食べ物に毒を入れていると確信していた。ナイアシンアミド500 mg 1日3回とアスコルビン酸500mg 1日1回を開始した。2ヶ月後、声は聞こえなくなったが、まだ幻覚が見えていた。恐怖心はなくなり、短気な癇癪もなくなった。1969年7月3日、この年の初めから正常を保っていた。ナイアシンアミドを止めてプラセボを投与した。2週間後に再発が始まり、過敏になって、喧嘩もするようになり、眠れなくなった。ナイアシンアミド投与を再開した。彼は数日で元気になった。1970年3月24日、彼はベッドの下にいるクモやオオカミを再び恐れるようになったと報告した。私はナイアシンアミドを1g 1日2回に、その後1g 1日3回に増量した。1971年2月19日、彼は胃痛の検査のため入院した。低血糖症であることが判明した。入院中の1週間はすべての薬をやめると、彼は再び幻覚を見始めた。退院後ナイアシンアミドを再開し、改善した。1973年8月19日、ジョン・ホッファーは彼を正常と判定した - 1111 (4)。彼は成績B上位の生徒で、フレンドリーで、何の恐怖心もなく、すべての症状が消失しており、母親も彼を正常と考えていた。1973年12月14日の最終診察時も正常だった。


・(106)V.Y. 1965年生まれのV.Y.の初診は1973年2月。彼はY家の3番目の子どもとして受診した。1972年の秋に視覚的な錯覚を見始めた。物が初めは大きく見えすぎ、その後小さく見えすぎるのだった。目を閉じると、自分がベッドから浮いているように感じた。彼は学校に行くのを恐れ、多動になった。1月中旬までに彼は再び元気になった。どうやら彼はインフルエンザに罹っていた。母親は彼が兄弟たちのように病気になるのではないかと心配していた。ナイアシンアミド1g 1日1回とピリドキシン250mg 1日1回を開始した。1973年12月14日の受診時には正常だった。


ひとりごと

(105)は幻覚・妄想・悪夢などの症状が強く現れたケースでしたが、最終的には正常と判断されるまでになりました。途中プラセボに切り替えるとたった2週間で再発し、ビタミン再開ですみやかに改善したのが印象的です。

(106)はY家の第3子。母親が「彼が兄弟たちのように病気になるのでは」と心配したということは、105が長男、104が次男だったのでしょうか。経過は短く、インフルエンザ罹患で不調になったようなので、何か遺伝的な脆弱性があるところへ感染症で免疫系のバランスが崩れたと考えるべきなのかもしれません。少なめのビタミンで軽快したようでよかったです。