ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

勉強法以前の「勉強体質」はどうすれば作れる?

学習することに関する興味から、タイトルが気になって読んでみた本。

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

勉強法以前の「勉強体質」のつくりかた

何よりもまずは勉強に取り掛かれるようにならないと、効率よい勉強のコツだけ知ってても活用する場面がないですもんね。

ボウリングでストライクを取るにはフックボールを投げればいいと知っていても、家でゴロゴロしてたらダブルもターキーも取れるわけがないのと同じ…かな,たぶん。

この本によれば、「勉強体質」はやる気×やり方。
やり方がわかれば、やる気が出てくる。
そして、勉強のやり方を3ステップに分けています。

1. できることから始める
2. 楽しみながら続ける
3. 振り返ることで伸びる

1. できることから始めるに関しては、とにかくスモールステップに刻んで、できることから始めるようにします。

漢字練習なら、まずは例文を読むだけ。
算数の問題も、やっぱり読み上げるだけ。
それなら、まぁやってもいいかなと思いやすい(はず)。

漢字プリントの場合,例文の読み方を裏面に印刷しておいて,読めなかったら裏をめくれば確認できるようにする。
漢字を書くときはノートに何回も書かず,指で空書きだけしてみる。
…よく考えたら,小学校で使う漢字ドリルは表裏は逆ですが漢字面と読み仮名面が表裏一体になっていますから,この方法はそのまま使えそうですね。

数式も,左辺の式から右辺の答えまでとにかくまず口で読めるようになってから,答えを見ずに自分で解いてみる。
そうすれば,答えられる感覚,成功体験を味わうことができる。

あぁ,自分にもできるんだ!…と実感することで,また同じように感じや数式を読むという勉強に言われなくても自分から取り組めるようになる…。

こうやって,自分から勉強を始められるようになって,問題を解くときに答えを写さなくなったら次のステップへ進むのだそう。

著者の伊藤敏雄先生は,実際にご自分の個人塾でこうした指導を実践されて成果をあげていらっしゃるようです。

ちなみに,伊藤敏雄先生のブログはこちら。
【江南】勉強のやり方専門塾(ネクサス)少人数個別の小中高一貫指導(旧伊藤塾)

本の中にも書かれていましたが,子どもが見せる小さな進歩や達成を見守り認めること,なかなかできるようにならなくても急かさないこと,少しできたときに「もっと」「次へ」と欲ばらないことが大人に対する注意事項。
子ども自身が「やればできる」を実感できるようにするには,大人の側の忍耐力が必要なんですね…。

我が子への関わりを反省しつつ,とても興味深く読み終えた1冊です。
この続きが知りたい方は,ぜひ読んでみてくださいね。

とってもズボラな、半熟目玉焼き。

週末にガパオライスを作ろう!という話になり(また炭水化物ごはんだわー)、フライパンでひき肉とピーマンを炒めて、ピリ辛に味付け。

…しながら、ふと思いました。

目玉焼きのせたい。
半熟のやつ。
でも、もう一個フライパン出して焦がすのイヤだな。

その時、ひらめいたんです。

焼きそばだって、ウォーターオーブンで作れるんだもん、目玉焼きぐらい焼けるんじゃない?

適当な思いつきでしたが、ちょっとだけ深さのある皿にクッキングシートをひいて、そのまま生卵を割り入れてスチームありのグリル焼き、中段両面5分。

…できた、半熟卵焼きっぽい状態の卵!


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ということで、まな板の上に乗せて包丁の背で黄身を破壊しないようそーっと剥がしとってお皿にin。

やっぱりガパオライスには半熟目玉焼きが欠かせない♪
今日もウォーターオーブンさん、いい仕事してくれました。


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最近手に入れた、おすすめのイヤホン♪

紙の本も好きなのですが、最近はAmazon Kindleの本を耳読することが増えてきました。

スマホに自動で音読させておいてBluetoothイヤホンで聞くのはとっても便利。

バスや電車内で立っている時、歩いて移動している時、台所で作業している時…普通なら本が読めない状況でも全てが読書タイムに早変わり♪

…ま、たまに耳で聴くには難しすぎて、どうしても文字を目で読みたい本もあるのですが。

コードタイプのBluetoothイヤホンはカバンの中で絡まるし、両耳独立タイプはおっちょこちょいな私の場合片耳イヤホンコロコロ紛失事件を起こしそうだし、ネックスピーカーは快適だけどバスや電車で周囲に音がダダ漏れなのはまずいし。

で、先週から使い始めたのがこちらの骨伝導イヤホンです。

耳介のすぐそばの骨の上を左右から挟み込むように止めるのですが、耳にイヤホンを突っ込むわけでもスピーカーから音が広がるわけでもないのに、ちゃんと音が聞こえるのが不思議…。

ネックスピーカーからと比べるとずっと軽量コンパクト。
耳にかける形状だけど、メガネにも干渉しない。
もちろん片耳分だけ転がっていくこともないし、コードが絡まることもない。
そして、周囲には音が漏れない(よほど大きくすると多少漏れるようですが…)。

…これ、イヤホンとして理想的じゃない???

音楽をガッツリ音質にこだわって聴きたいという人には不向きかもしれませんが、ちょっと気軽にどんなときにもイヤホンでなにか聞きたいな、という人にはピッタリの選択かも♪

興味のある方はぜひ一度お試しくださいませー。



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学びについて、学びたい。

不登校の話のなかで、家庭学習を出席と認める方向性が文部科学省の通達で示されたことに触れましたが、学校に行く・行かないは別として少なくとも義務教育期間には何らかの形で学習は積んでおいたほうがいい、とは私は強く思っています。

それは、高校へ進んだときはもちろん、学校を卒業したら勉強や学習が終わるわけではなく社会に出てからもずっと何かを学び続けることになるから。
大人になる前に学ぶことがキライになったり苦手意識が強くなったりしてしまったら、その先自分にとって必要な知識を身につけることが苦痛になってしまう。
それに、何かを知るためにはベースになる知識や考えかたが必要。
だから、わからないことを順を追って身につける習慣や、余程の事情がない限り知っておいたほうがいい知識=義務教育レベルの内容は習得しておいたほうがいいと思っています。

以前ご紹介した「けテぶれ」も、自分で学ぶ力を身につけることを目標としたメソッドでした。

そんなわけで、私が今とても興味のあることのひとつが、学ぶこと全般。
その中でも気になるテーマが複数あって、大きく言えば、

・そもそも学習や勉強に興味が持てない、やる気がない状態の子ども達の意欲を高めるにはどうしたらいいのか

学習障害や学習の困難を持っている、学びたいのに上手くいかない子ども達がどうすれば学びやすくなるのか

・すべての人にとって、必要なことを効率よく学べる方法やコツはあるのか

の3カテゴリーです。

私が大好きなQuizKnockのコンセプトも「楽しいから始まる学び」。

学ぶことの楽しさを感じて、自分に必要な学習ができる子どもたち(と大人たち)が増えるように、私も何か貢献できるようになりたいと思っています。

さしあたって今読んでいる本、読もうと思っている本の一部はこんな感じ…もっといろいろ知りたい!



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書ききれなかった、今の私の不登校観。

不登校のお子さんとお会いするとき、そのお子さんに関して「学校へ行く方向と行かない方向の、どちらで応援していいかわからない」というスタンスでお会いするのは確かなのですが、

一般論として、学校へ行くのと行かないのとどちらを支持しているかと聞かれれば、学校へ行くほうです。

そりゃそうだよね、学校楽しいじゃん、と言える人はもちろんそれでOK。
もしそうじゃなくても、行けるもんなら行った方がいいんじゃないかなと思っています。
そのほうが、後で選択肢が狭まって余計な悩みを抱えなくて済むから。

アルバイトを探すにも、高校在学中か高卒でないと雇ってもらえるところはなかなかありません。
大学や専門学校の推薦入試受けようとしたら「高校卒業予定」の人は出願できても「高卒認定試験合格者」はダメだったりするケースもあります。

極端な話、公立小学校や中学校は、最後まで在籍すれば卒業させてもらえます。そういう意味では、通えていない学校にそのまま籍を置くのもアリ。
今の学校には通えないけど他の学校なら通えそうということであれば、転校の可能性を考えてみるのもアリ。
公立高校・私立高校の全日制に進むには、ある程度の内申点や出席日数が必要です。それも中3の一時期だけがんばればどうにかなるわけではなくて、中学校生活の積み重ねが評価されます。
だから、中学で長い期間苦しい時期を過ごした人が最後だけ無理しても報われないこともあります。

それでも、小中と比べて高校は選択の幅は広がります。少し遠くの高校へも通えるし、全日制だけじゃなく通信制・単位制や夜間、サポート校もある。
中学には安定して通うことのできなかった人が、自分のペースで学べる高校環境に身を移して見違えるように元気を取り戻すことも少なくありません。そのあと大学や専門学校に進む人も、元気に社会人になって活躍している人もたくさん知っています。
来年度から始まる私立高校実質無償化が多くの子どもたちにとって役立つ施策であればいいなと思います。

こうやって考えてみると、私が通えたほうがいいと思っていたのは「何らかの形で、その子に合った高校を卒業してほしい」という意味だったんだな、と自分の中でもはっきりしてきました。

いや、もちろん小学生だって中学校だって、通えないより通えた方がいいとは思うんです。
でも、小中学生のうちに「とにかく学校に来い/行け」と言われて、大人との攻防に疲弊したり、それでも行けない自分を嫌いになったり、学校という存在に拒否感を抱いたりしてしまう子どもたちがあまりにも多くて。

子ども本人にはどうすることもできない理由で登校できないケースだってたくさんある。
それなのに、学校へ行くことだけが正解だと周りの大人たちに言われているように感じたとしたら、子どもたちは追い詰められるばかり。
それよりも「高校になったら選択肢が増えて、いろんな学びかたが選べるんだよ」とか「小中学校は、もしも通えなくても卒業させてくれるよ」とか「どんなに自分には勉強が合わないなと思っても、高校卒業はしといたほうがいいと思うよ」とか、現実的な今後の見通しを知ることができたほうが子どもたちのエネルギーは湧きやすいんじゃないのかな、と思し、そんなことを言う大人が身近にいなくて苦しんでいる子どもがいるなら、教えてあげる役割を果たしたいと思うのです。
周りの大人には嫌われるかもしれないけど(笑)。

さらにそこへ昨日の法律や通達の情報があれば、中学校に通わなくても自宅や民間施設で学習を積めば出席日数でも成績評価でも不利益を被らず、選べる高校のレパートリーも減らさずに済むかもよ、とも伝えられる。

こうして温存できた、溜まりやすくなったエネルギーを使って、子どもたちには少しでも「(学校に行かなくても)今自分のためにできること」にエネルギーを注げるようになってほしいのです。

登校について感じたストレス、学校へ行けない自分への落ち込みや罪悪感、周りの大人からの責められ感や急かされ感の三重苦でダメージを受けるより、そのほうがずっと苦しくないし効率がいいと思うから。

…そんなことをつらつらと考えながら、今日も講演スライドを作っていましたが、全然終わらない。

さて、続きを作らねば!

知らなかった! 不登校をめぐる法律の話。

不登校への関わり方をテーマにした講演会の依頼を受け、鋭意準備中です。

日頃不登校のお子さんに合わせていただくことは多いし、自分なりに語りたいことはあるのですが、最近、国や文部科学省の政策ってどうなってるんだろう? と改めて調べてみたら、ここ数年で大きく方向転換していることに気づきました。

教育機会確保法(教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)が平成28年に公布されてから、ざっくり言えば「再登校が唯一の正解じゃない」と法律で認めてもらえたということ。

教育機会確保法については、「NHK解説委員室」でわかりやすく説明されていました。
 

www.nhk.or.jp

この法律を受けて文部科学省は、学校は民間団体との連携や家庭で学習する子どもへの支援を行うように、あるいは自宅での学習活動を出席扱いにしたり成績評価に用いたりするように、と通達を出しています。
 

www.mext.go.jp

www.mext.go.jp

少なくとも私の身の回りでこうした法律や通達のことが大きく話題になったことはこれまでなくて、こうして調べてみるまで知らないままで過ごしていました。
不勉強で恥ずかしいですが、この機会に知識をアップデートできてよかった。
この法律や通達の存在を知ることで、学校に行けない状態になっているお子さんやその親御さんの後ろめたさや罪悪感が少しでも和らいだらいいな、と思います。

私自身が不登校のお子さんとお会いするときには、まず「学校は行くべきところ」という姿勢で話を聴き始めることはありません。だって、誰かに「学校に行くべきだ」と言われて行けるような状態なら、わざわざ診察室に来るはずがないから。
とりあえず「不登校」という主訴で来ていただいても、初回は「あなたが学校へ行くことを目標にお手伝いしていいのかどうかもまだ全然わからないから、今どんな状況なのか教えてほしいし、ご家族からも聞かせてもらいたい」という、いたってニュートラルなスタンスでお会いしています。
そもそも、お子さんご本人の主訴が「不登校」かどうかすら、お聴きしてみるまでわからないですしね!

…まだ考えていることを言語化しきれていない感じがするので、改めて何か書くかもしれませんが、今日はこのへんで。

子どもの注意や行動の障害を治す:診断(3) 着色料と保存料 / グルタミン酸

 まだまだ続く,ひとり読書会。

今回は,着色料と保存料,そしてグルタミン酸の話題です。

【着色料と保存料】

・子どもの多動と食品添加物の関連についての総説が最近(1994年)出たが,生体にとって異物となる化学物質,たとえば清涼飲料水などに使われるタートラジン(黄色4号)はよく食物不耐性研究に登場する。特にアスピリン過敏のある人で問題になりやすく,アスピリン過敏症者の10-40%が]喘息やじんましん,鼻炎,多動などを起こす。タートラジンと保存料の安息香酸が組み合わさると異常反応が出るという研究もある。タートラジンは亜鉛欠乏を起こし,循環血液量と唾液の量を低下させる。

・その他,菓子類に入れられるクルクミン,ビスケットに入れるサンセットイエロー,ジャムなどに入れるカルモイシン,コーラやビールに入れるカラメルなども着色料も有害な反応を起こす。保存料や抗酸化剤は,安息香酸,硫酸塩,硝酸塩,サッカリンアスパラギン酸などがある。アスパラギン酸フェニルアラニンを含むが,ラットではフェニルアラニン濃度を倍にすると脳内のチロシンが増加しトリプトファンが減少する。トリプトファンが減少するとセロトニンや細胞内のNADニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が減少し,松果体は十分なメラトニンを作れなくなる。

ひとりのヒトが複数の物質や食品にアレルギーや中毒症状を呈する。ある研究では48種の食品が原因物質となっていたが,64%は牛乳に,49%は小麦に,32%はピーナッツに,そして16%は砂糖に反応していた。除外食で子どもたちの症状は軽快・消失した。


グルタミン酸

グルタミン酸は中枢神経を破壊しうる物質だが,最も広く使われている食品添加物のひとつである。アスパルテームl-システインその他含硫アミノ酸も同様の作用を持つ。

たんぱく質の水解物には大量のグルタミン酸アスパラギン酸含硫アミノ酸が含まれており,これらには興奮毒性(excitoxinはexcitotoxinと同義なのか?)がある。幼若な動物は特に感度が高く,カップ1杯の化学的なスープを体重9㎏の赤ちゃんが飲むと体重キロあたり130mgのグルタミン酸を摂ることになる。未熟児マウスの中毒閾値はキロあたり250-500mgだが,ヒトはネズミより5倍,サルより20倍グルタミン酸による脳損傷の感度が高い。

アスパルテームも脳神経を破壊する毒性があり,これらの物質がアルツハイマー病やハンチントン病のような脳変性疾患を引き起こす原因になるではないかと研究されているところである。
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【ひとりごと】 食品の着色料まで細かくチェックすることはしていなかったが,これから商品パッケージを真剣に見てしまいそう。グルタミン酸も身近な物質なだけに,摂り過ぎには本当に気をつけなくては…と思った。