小学生のわが子に勉強のやる気を起こさせる秘策は?
小学生のお母さんとこっそり共有したい
コロナで休校になって以降、家庭学習の増えたご家庭から「いくら課題出されたって、急に家で勉強なんてしないですよね…」と嘆く親御さんに度々お会いしました。
そんなタイミングでたまたま手に取ったのがこの本、「小学生の子が勉強にハマる方法」。
そんなうまい話が?!と眉唾になりつつページをパラパラめくってみたらとても面白そうだったので、レビューも兼ねて数回に分けてシェアしたいと思います。
まずは「やる気」を4つに分解!
「うちの子、そもそもやる気がないし」とおっしゃる親御さんたち。うんうん、わかります…。
やる気を変化させるには、まずやる気とは何者なのかを知っておく必要があります。
この本では「やる気(学習意欲)」の源を
‐ 注意(Attention)
‐ 理由(Reason)
‐ 自信(Confidence)
‐ 満足感(Satisfaction)
の4つに分けて考えています。
Attention:勉強に「ワクワク」させる
まずひとつめ、子どもたちの注意を勉強する方向に惹きつける、勉強に対して「ワクワク」させるのがAttention。
そのための具体的な工夫がたくさん紹介されています。
その基本的は、「勉強」と「勉強以外の活動」の垣根をとっぱらうこと。たとえば…
- 算数の図形問題を「パズル」と呼んでみる
- 課題に取り組む順番にランダム性を持たせる
- 机に向かうばかりが勉強じゃない
- 親が勉強を楽しんでいる姿を見せる
- 知育ゲームやアプリで勉強する…
こうしたちょっとした工夫でイヤイヤさせられる真面目な勉強という概念を壊してしまおうという作戦。
えー、そんなことで? と思われるかもしれませんが、ひとつひとつ本文中の解説を詳しく読むと、なるほどこういうやりかたができるのか、とわが子にも取り入れられそうな方法がきっと見つかると思います。
勉強には気分が乗らなくても「クイズ」とか「謎解き」となると前のめりになる子もいるだろうし、1ページ問題集を解くたびにポイントが入ったりレベルが上がったりするのを目に見えるかたちで表してもらうとテンションが上がる子もいるかもしれません。
全部が全部実行できなくても、ひとつでも子どもを「ワクワク」させる取り組みができたらいいですよね! それぞれのお子さんをよく観察して、ぴったりの方法を取り入れてあげてほしいと思います。
Reason、Confidence、Satisfactionについてはまた今度取り上げたいと思います。
子どもの注意や行動の障害を治す:治療(3):ビタミンと薬物療法(トリプトファン)
火曜日恒例、ひとり読書会。
今日はトリプトファンです。
読んでいるのは、引き続きこちらの本。
トリプトファン
・アメリカでは多くの人がトリプトファンは毒だと恐れているため手に入らない。その毒性は純粋なアミノ酸ではなく混合物質によるものだとわかり、このアミノ酸は今も販売されているが、今もFDAと健康食品産業やトリプトファンを非常に上手く活用している臨床医の間で大きな議論に中心となっている。カナダでは、健康食品の店舗でも、処方薬としても入手できていた。健康食品店からは引き上げられたが、この議論が続く間、トリプタンという名称の処方薬トリプトファンは自由に販売されたりされなかったりしてきた。
・ことの顛末はこうだ。1989年10月にニューメキシコに強い疲労感と筋肉痛が出た人たちがおり、白血球も上昇していた。その全員がアミノ酸を摂っていた。この状態は後に好酸球増多筋痛症候群と呼ばれ、アメリカの各地やヨーロッパで報告された。症候は、痛み、四肢の腫脹、神経障害を含む重篤な筋肉症状などであり、好酸球数増多もみられた。1990年8月までに、死者27人を含む1500以上のケースが報告された。1989年11月、トリプトファンのサプリが供給停止になり、数ヵ月後にはトリプトファンを含有するすべての製品が停止になった。
・しかし、疾病管理センター(CDC)はこうした問題は混合物質によるものだと示した。アメリカで使われていたトリプトファンはすべて、日本の6つの会社で作られていた。1990年10月、サキモト氏がトリプトファンから不純物を分離した。胃液のような酸性の液体の中でトリプトファンと毒性物質に分解されていたのだ。こうしてトリプトファンは安全で有効な物質だとわかったが、FDAは今も使用禁止としている。健康食品業界は、これは科学的データに基づくものではなく政治的決定だと考えており、抵抗を続けている。
うちの子は発達性読み書き障害かも?! と悩む親御さんに超絶おすすめの1冊!
シリーズ2作目、読み終えました。
発達性読み書き障害がテーマの漫画の2作目、「『うちの子は字が書けないかも』と思ったら」を読了しました。
- 作者:彰, 宇野
- 発売日: 2020/03/03
- メディア: 単行本
1作目「うちの子は字が書けない」がとても好きで、職場の待合室にずっと置かせてもらっているほど。
なので、2作目もとても楽しみにしていました。
今回はちょっと毛色が違います
前作は「うちの子は字が書けない」というタイトルどおり、主人公フユくんの発達性読み書き障害にまつわる本人やご家族の受け止め、学校の先生方の反応、フユくんの努力や成長、ご家族の変化などを漫画のストーリーでどっぷり感じさせてもらえるものでした。
今作では漫画の割合はぐっと少なくなり、代わりにフユくんと今作の主人公ナツさんの主治医である宇野彰先生による解説やアドバイスがいっぱい。
こちらもやはりタイトルどおり、「うちの子は字が書けないかも」と思った親御さんの不安に応える意図で作られた本と言えます。
同じきょうだいでも、フユくんとナツさんは読み書き障害の性質も違えば、自分の苦手さに対するふたりの受け止めかたも努力の方向性もそれぞれ違います。
ふたりの違いに驚きつつも、それぞれの思いを大切にして見守る姿勢を貫いていらっしゃる母リョウコさんの姿にいちばん心が揺さぶられるのはきっと私だけではないはず。
ナツさんの家庭教師の野原先生が、勉強に対して一見ドライな様子のナツさんを前に「教える自分の存在意義は…?」と苦悩され、そのあと強い使命感を抱いていらっしゃる場面にもグッときました。
…あれ、漫画の部分だけ一生懸命読んじゃってるような?!
宇野先生のメッセージも素敵です!
もちろん、宇野先生からの解説やメッセージもとても勉強になります。
- 「発達性」読み書き障害と呼んでほしい
- 読み書きが心配になったら、小1の夏までは見守る
- 親が「発達性読み書き障害」をどう捉えるかが子ども自身の受けとめに大きく影響する
- 診断がついたら、子どものせいじゃないこと、無理に苦手なことをしなくてよいことを伝えてあげてほしい
- トレーニングをするかしないか、どのくらいするは本人の判断を大事にする
- 親は指導者役にはならないほうがいい
などなど、なるほどと思うことばかり。
そして、
忘れないで! こんな時だからこそ休日に実行したいことは…?
完全なる休日。
「何の用事もない日」と確定していた日曜日。
コロナウイルス騒動で「不要不急の外出」への風当たりが強い毎日に辟易していた私は、息子を誘って軽い山登りへ出掛けることにしました。
役に立たないこと・特に意味のないことって、健康な生活には結構必要だと思うんですけどね…。
ふたり登山のつもりが…
いろいろな偶然やタイミングの一致があって、普段遊ぶのはちょっと難しい学区外の息子の友達と3人で出掛けられることに。
友達も学校が休みになって 毎日退屈しているよう。
ふたりで「暇だよねー。平日何してる?」など情報交換に始まり、ずーっと楽しいおしゃべりが続いていました。
約3時間の楽しい登山タイムも、わいわい過ごすとあっという間。
お天気にも恵まれて心地よい山道をたくさん歩いてほどよく汗もかき、たっぷりリフレッシュできました。
どんなときも、身体は動かさないと!
実際出掛けてみて感じるのは、やっぱり身体を動かすのはとてもストレス解消になるということ。
自然の木々に囲まれて、日の光を浴びて、大きな筋肉をしっかり伸縮させる。その効果は絶大です!
なかなか元気を出しにくい時期ではありますが、逆にだからこそ身体をのびのび使う時間は意識して作っていかないといけないなと感じたのでした。
同じ思いの人が多いのか、登山道は親子連れや常連さんらしいシニアさんまで予想以上にたくさんいらっしゃいましたよ。
来週末は3連休。
みなさんもぜひ、意識的に外で身体を動かす活動をスケジュールに組み込んでみてくださいね♪
毎日連続して夜中に目が覚めてしまうのはなぜ?
あれ、変な時間に目が覚める…
先週ふと気づきました。
最近、やたら中途覚醒するぞ…?
夜中の2時から3時半の間に1回、必ず目が覚めて時計を確認する日が続いていたんです。
就寝時間も起床時間も変えていないし、ナイアシンだって毎晩就寝前に1g飲んでるのに、どうして…?
やっと思い出した、大事なルーティン!
4日中途覚醒が続いた朝に、やっと気づきました。
…そう言えば、プロゲステロンクリーム塗ってないぞ?!
プロゲステロンクリームは不足している体内の黄体ホルモンの代わりに経皮吸収させているもの。
なので、月経期間中は塗るのをお休みするのが正しい用法なのです。
前回の月経終了後にクリームの再開をすっかり忘れていたことを思い出し、それでプロゲステロンがいよいよ枯渇したから不眠が現れたんじゃないのかな、と仮説が立ちました。
Lee先生の本にも、プロゲステロンクリームについて「多くの人が初めに感じる効果は、不眠の改善」と書かれていましたもんね。
- 作者:ジョン・R・リー
- 発売日: 2010/11/10
- メディア: 単行本
そうと決まれば、検証開始。
その日からプロゲステロンクリーム塗布を再開したところ、なんと最初の晩から中途覚醒は消えてしまったではないですか!!
そのまま毎晩塗り続けていますが、やはり中途覚醒の再発はみられません。
仮説が当たったのは嬉しいけれど、やっぱり補わないとプロゲステロンは足りてないんだという事実を自分の身体に見せつけられた悲しさも若干感じますね…。
いや、不眠をサインにプロゲステロン再開を忘れていると気づけて良かったと思おう。
足りないなら、補えばいい。
…と、ぺこぱ風に締めてみるのも悪くないだろう。
P.S.
昨晩、60000PV突破していることに気づきました。
いつも読んでくださって、ありがとうございます!!
我が子に教わった、人との関わりの極意とは?
息子のおすすめ動画を観る
学校がずっとお休みなので、息子はのんびりYouTubeを見る時間があるよう。
昨日「めっちゃ面白い動画を観たよ!」とおすすめしてくれたものを観て、ふたりで大笑いしたんです。
それは、YouTubeチャンネル「カジサックの部屋」にゲストとして「ぺこぱ」の松陰寺太勇さんが来るというもの。
ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
天才の技にほれぼれ。
M-1グランプリ2019で決勝3位になった「ぺこぱ」。
私はM-1で初めておふたりの存在を知ったのですが、松陰寺さんのツッコまないツッコミというか、すべてを許容しちゃうツッコミというべきか、とにかく独特な返しがすっかり癖になってしまって。
カジサックさんは動画の中で「松陰寺さんに普通のツッコミをさせたい」という意図のもと、トークの合間にたくさんのボケを仕掛けていきます。
それはそれはとんでもないボケを畳み掛けるのですが、松陰寺さんは動じず、どんなボケが襲い掛かろうともツッコまないで受け入れてしまうのです。
通常、漫才やコントには台本があって何度も練習を重ねてすらすら流れるようなネタが完成しているのだと思うのですが、このふたりのやりとりはきっと本当に練習のない、カジサックさんが一方的に仕掛けたことへの即興のレスポンス。
それでもばっさりツッコまないで、否定せず受け入れるスタイルを素早く繰り出す松陰寺さんを観て、思わずため息が…。
て、天才だ…!!
ただ面白いだけじゃなく…
予想外の返しはとにかく面白いのですが、それだけじゃなくて。
相手のとんでもない言動を徹底的に受容することでとにかくあたたかい雰囲気が生まれるのが感じられて、それがすごく心地よいのです。
そして「あぁ、こんな診療ができたらなぁ…」と思うのです。
どうしても、困りごとのお話をお聞きしていると、何か指摘したくなったり助言したくなったりすることがあって。
でもそういうときに出てしまうのは、相手を否定しかねない言葉なんですよね。
相手に対する「できてない」とか「よくない」とか「間違っている」というメッセージとして伝わってしまうかもしれない。
そんなとき、松陰寺さんのように肯定的に受け止めることができたら、きっと目の前のお子さんや親御さんとよい関係性を作れるんじゃないかな、と思わずにいられません。
診療に限らず、親子の日常会話にも先生と生徒のやりとりにも松陰寺さんのような返しが溢れたら、きっとほっこりしたあたたかい関係が育まれるはず。
早速、私の心の中に松陰寺さん視点を取り入れるため、「毎日ぺこぱ」の日めくりカレンダーをそばに置いて日々修行しようとこちらをポチりました。
- 作者:ぺこぱ
- 発売日: 2020/03/27
- メディア: カレンダー
早く手元に届かないかな。
毎日めくるのが楽しみです♪
来年度、楽しいキャンパスライフを送ってほしい人たち。
大学はすでに年度終了のよう
最近、診察室で大学の年度終わり報告をよく聞くようになりました。
講義やテストはコロナ騒動前に終了していて、成績発表だけが3月というところが多いみたい。
郵送だったり、オンラインで確認するスタイルだったり、大学によっていろいろなんだなぁ…と患者さんたちのお話を興味深く聞かせてもらっています。
余裕で全科目の単位を取れている人もいれば、「何単位以上落としたら留年だから…」と落としていそうな単位数を数えて戦々恐々としている人も。
今年は「見るの怖いから、ここに来てから確認しようと思っていた」と私の目の前でスマホから成績確認をし始めた青年がいました。
スクロールする画面を一緒に追わせてもらう私までドキドキ。
本人が思っていた以上に単位が取れていて、もちろん無事進級決定。
ああ、 がんばった結果が認められて本当によかったねぇ!
同じ単位がまた取れず…
また別の青年はすでに成績確認済みで、
「前期に続いてまた同じ△△学の単位を落としてしまって…ほかは全部取れてたんだけど」
と教えてくれました。
課題提出やらテストやらにいつも追われる学科の学生さんなので、もっとたくさん落としていても不思議じゃないくらいだったけど、意外としっかり単位もらえてホッとひと安心。
でも、前期とまったく同じ先生の同じ講義を受けても評価が上がらなかったのは何故なんだろう?
彼は決して不真面目な人じゃない。
欠席も遅刻もしないし、前回の反省を踏まえて課題もしっかり出してるし、それなのに不可がついたのはどうして?
悔いなし! なのはいいけれど…
本人的には「まぁ真面目にやった結果なんで仕方ないです。また来年度受ければいいんで」とサッパリ切り替えているよう。
でも、私はとてもひっかかってしまったんです。
だって、同じようにがんばっても、また落としちゃうかもしれないよ?
高校までとはちょっと違って、大学では単位が取れる・取れないの基準がわかりにくいことがあるのが難点のような気がします。
大学の特色というより、先生の個性要因が強いのかな…。
先輩や同級生からの情報収集が苦手で要領よく立ち回れない学生さんほど、落とした単位が必修なら次こそ取れるようにPDCAサイクルを回さないといけない。
どの要素が自分に足りてなかったのか直接先生に聞きに行ったり、質問に通って「点数は取れてなくても真面目な学生なんだな」と先生にわかってもらったりするのもアリかもしれません。
必修じゃないなら思い切ってほかの先生の別の講義に振り替えるという手もありますね。
…どうか彼らが来年度、希望のある楽しい大学生活を送れますように♪