ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

短くても侮れない記憶とは…

学習の問題に関心をもっていろいろな情報に触れるうちに,学習には「記憶」が大きく関連していることに気付かされました。

学習内容を理解できるかどうかも重要ですが,せっかく学んたことを覚えておくことも大切。

昨日覚えたはずの漢字を翌日のテストで書けないと点が取れないし,前の授業で学んだ知識を忘れてしまっていたら次の知識を積み重ねられないし。

そして,そういう長いスパンの記憶(長期記憶)だけでなく,たとえば今聴いた先生の指示を覚えておく,黒板の内容を見てノートに書き写すために覚えておく,といった,何か目的を果たすために短い間覚えておきたいことを記憶できないのも学習には大きな支障になります。

こういう「ちょっと覚えておいてすぐ後で活用したい記憶」はワーキングメモリと呼ばれます。

これがうまくできない不便さは,今掛けようと思った電話番号を覚えておけない,隣の部屋に行ったが何をしに来たか忘れてしまう,みたいな場面で誰しも経験がある(←たぶん…私はどちらもしょっちゅうあります)と思います。

このワーキングメモリの弱さを学習場面でサポートできたらこどもたちの学習も楽になるのでは,そしてまずその子の学習の苦手さがワーキングメモリの弱さにあると気付くことが必要なのでは,と思うようになりました。