ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

実行機能の基本となる3つの要素ってどんなもの?

先日ご紹介した論文

nao-chun.hatenablog.jp

に入る前に,まず実行機能のコアとなる3つの要素についてこちらの論文に書かれた説明を紹介します。

1つめの認知的柔軟性とは,たとえば他者目線から物事を見てみたり,異なる角度から問題に取り組むため創意工夫したりすることだったりといった,ものの見方を変える力のこと。 さらには,求められることや優先順位の変化に合わせたり,自分の間違いを認めたり,突然の予期せぬチャンスをつかんだりできるような力のことも指します。

2つめのワーキングメモリとは,情報を覚えておいて頭のなかで活用すること。何であれ時間を超えて広がることを理解するためには,前に起きたこととを覚えておいて今起きていることと関連付けなくてはならないので,ワーキングメモリが必要です。読むとき・聞くとき問わず,言語情報を理解するにはワーキングメモリが不可欠なのです。 そして,心のなかで順番を並び替えたり(たとえばtodoリストの編集とか),因果関係を理解したり,断片的な情報を一般原則と関連付けたり,新規のものを旧知のアイデアに結び付けたりするときにもワーキングメモリが役立ちます。

3つめは,抑制。 抑制には,自分の行動をコントロールすることと,自分の注意をコントロールすること,そして自分の感情をコントロールすることの3つが含まれます。

個人的に最も興味があるのは抑制なので,その理由も含めて別の記事にもっと詳しく書いてみますね。