日本語教育の大家が語る,こどもの集中力を育てる方法とは…?
息子の集中力のことを心配していたとき,偶然書店である本と運命的に出会いました。
「子どもの集中力を育てる」という,どストライクな書名(笑)。
著者は「声に出して読みたい日本語」などでお馴染みの齋藤孝先生。
失礼ながら齋藤先生のことをあまりよく存じ上げなかった私は,先生を万葉集などの小難しい古典を意味も分からないこどもに暗唱させることを推奨する教育者だとざっくり思い込んでいました…。
でもタイトルがあまりにツボだったのと,目次の「集中力のある身体を作ろう」という見出しが目に飛び込んできたのに惹かれ,抗いきれずに購入決定。
…本当に読んでよかったな,と思いました。
学ぶ構え=積極的にいろんなことを受け入れようとする「積極的受動性」を作りたい,それには脳を活性化させる必要がある,そのためには身体を通したアプローチが有効…という流れで,臍下丹田を意識した呼吸や蹲踞・肩入れなど腹腰・中心感覚を意識させる運動,体育ローテーション(≒サーキット運動)やフラッシュカード,テンポのいい名文を音読したり暗唱したりすることの大切さが紹介されています。
こうした理念に基づいた齋藤メソッドという小学生向けの講座も当時開いていらしたよう…いろいろな意味で齋藤先生の凄さを改めて感じました。
身体を通して脳にアプローチできると言ってくださる人がいるのは心強いし,自宅で試せそうなヒントもたくさん得られる有意義な本でした。