子どもの発達の心配に対する分子栄養医学的アプローチの決定版,登場です!
楽しみにしていた書籍をまたまたご紹介します!
先日発売になったばかりの藤川徳美先生の最新刊「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」,一気読みしました 。
- 作者: 藤川徳美
- 出版社/メーカー: アチーブメント出版
- 発売日: 2019/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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藤川先生の書籍の中でも,子どもの多動症状や学習障害に特化した内容のものは初めて。まさにドンピシャで興味のある領域だったので,発売前から予約して待ち構えていました。
ちょうど今私が地味に続けているひとり読書会の本とテーマ的にも重なります。
基本は高タンパク・低糖質,そして鉄,メガビタミン
子どもの発達に関する問題に対しても,基本的な考え方は「うつ消しごはん」にもあったとおり,基本の考え方は高タンパク・低糖質,そして鉄とメガビタミンでATP産生をアップさせるというもの。
ここまではお馴染みですね。
子どもを対象とした今回の本ならではの特徴としては,
- 大人の脳の神経ネットワークは完成しているけど,子どもは発達途上なので大人よりも栄養不足はよりクリティカルな問題(「大人なら交通渋滞,子どもはインフラ不足」とありました)
- 親子で実践すると,まず効果を感じるのは母親。母親が元気になると子どもも元気になりやすい(∵母親のエネルギーが十分あって実行力が増す,母親が子どもに栄養療法を実践する上で自分の変化を確認してモチベーションが上がる)
の2点が強調されているように読み取れました。
そういえば,私の患者さんもお母さんのほうがお子さんに先行して元気になっていましたね…。
ちょっと気になったのは,ハーレル博士のエピソード。
ハーレル博士は,たしか母娘2代でダウン症への栄養療法を試みた医師として三石巌先生の書籍に登場していました。
三石先生の書籍の中では,「要するに彼女は,健康維持の必要量と,知能改善のための必要量は同じであると考えている」の件を若干懐疑的な文脈で語っておられたような…つまり,健康維持に必要な量よりも改善に必要な量のほうが多くあるべきだと三石先生ご自身は考えていらっしゃるようなニュアンスだったと記憶しています。
でも今,どの本でこのエピソードを読んだか思い出せないので,このことについてはまた別の機会に書きたいと思います。
後半の漫画は説得力満点!
巻頭にカラー漫画があり,本の後半には栄養改善に取り組む親子のエピソードが漫画で9例描かれています。
巻頭漫画はちょっぴりベタな展開(?)でしたが,実際に藤川先生のもとを訪れた親子のエピソード漫画のほうは実際にタンパク質や鉄をしっかり補充することで親子ともに変化していく様子がイメージしやすくてとても納得できます。
今のうちの職場の診療体制だと,お子さんのことで受診してくださったお母さんのカルテを作って血液検査を導入することをデフォルトにするのはちょっと難しいのですが,お母さんのほうからご要望があればできる範囲でお応えしていけたらいいなと思いました。
この本も,待合室行き決定です!