ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

こどもの「見る力」「聞く力」を伸ばすために

ワーキングメモリに関する研修会の後買って帰った 「1分間集中トレーニング」 ,想像以上に面白くて一気に読み終えてしまいました。

著者の上嶋惠先生は,教諭になられて数年というタイミングでおそらく今で言う特別支援教育を担当するよう命じられたのだそう。

本当にすごい先生だと思うのは,突然の辞令に戸惑われながらも早速土曜日に障害を持つこどもと親御さんの集まる学習教室を開催され,それを7年間も継続されたこと。

この会では,前半に身体を大きく使ったり呼吸を意識したりするような遊びやゲームを取り入れ,学習は後半の一部に少しだけ実施するような感じだったそうです。

この土曜日の学習教室終了後も教員を続けながらボランティア活動も継続されて,退職後にはこれらの経験を踏まえて「日本一の障害児教育」を実践する教室を創設されるに至ります。

この本のなかでは,上嶋先生の教室での指導のエッセンス(というよりかなり具体的な指導方法)が紹介されているのですが,学習そのものよりも学習の構えを作ることに重点を置いておられるのがとにかく印象的。

こどもたちの「見る力」「聞く力」を伸ばすこと,その前に集中とリラックス(脱力)の違いを意識させること…そのためにどんな取り組みができるかが,本の後半にとても詳しく紹介されています。

あぁ,すべての小学校低学年の教室でこうした指導が実践されたらどんなにいいだろう…!と思わずにいられません。