ここのすラボ2.1

こどもの こころを のびのび すくすく 育てることをめざして試行錯誤中の児童精神科医なおちゅんのブログです。

格闘技の練習でも実行機能は高められる!?

実行機能をアップさせる方法,4つめはなんと格闘技登場です!

(4) 格闘技とマインドフルネス 伝統的なテコンドーを習ったこどもと通常の体育の授業を受けたこどもを比較すると,テコンドーのグループのほうが測定した実行機能の全項目で優れていたそうです。暗算(ワーキングメモリが必要)の能力も上がっていました。 低年齢より高学年が,そして女児より男児のほうが,伝統的テコンドーによる実行機能上昇効果が高かったようです。 練習の冒頭に「私は誰であるか?」「私は何をしているか?」「私は何をすべきか?」という3つの自問をする慣わしがあることも,自己洞察や目的志向性の高まりと関係しているかもしれませんね。

思春期の非行少年を対象に,伝統的テコンドーを練習するグループと近代的格闘技を練習するグループを比較した研究では,伝統的テコンドーのほうが攻撃性や不安が低く,社会性や自己評価は高まっていたという報告もあります。

7-9歳のこどもたちを実行機能がもともと低いグループと低くないグループに分けてそれぞれにマインドフルネス(座って瞑想→感覚の気付きを高める運動→ボディスキャン)の練習をさせたら,実行機能の低かったグループは大きく伸改善し,特に思考の切替えやモニタリングの力は年齢平均に追いつくほどだったようです。

10-13歳のこどもたちがヨガで実行機能を改善させたという研究もありますが,感覚の気付き抜きで運動するだけでは実行機能は改善しないようです。