またズボラ? 作り置きで高たんぱく食を続けられるお手軽メニュー。
本日のズボラな作り置きおかずは…
休日になるとズボラ料理ネタが登場するのが常ですが,今日もしっかりズボラです。
今回作ったのは,鶏ハム。
スーパーで買ってきた鶏むね肉2枚を皮の上からフォークでぶすぶす刺して,1枚は塩+乾燥バジル,もう1枚は塩+クミンをまぶしてラップにくるんで冷蔵庫で一晩。
それをアイラップという耐熱性の高い袋に入れてできるだけ空気を抜き,ぴっちり袋が閉じられる,これまた耐熱性の高いミスフランシスクリップで口を閉じます。
アイラップとミスフランシスクリップ??
どちらも「低温調理するときに使いやすい袋やパッチンクリップはありますか?」と東急ハンズで尋ねたら,お姉さんが「私もいろいろ試してみて,この組み合わせがいちばんよかったです」とすぐ教えてくださったもの。
さすがはハンズのお姉さん! ご自分でも商品の使い心地をしっかり試してらっしゃるんですね。
Amazonでも買えるみたいですが,送料がかかったりパントリー対応だったりするので,実店舗で買える方はそのほうがシンプルかも。
ミスフランシスには普通袋用と厚手袋用があるのですが,アイラップを使うなら普通袋用にしないと隙間が空いてしまうとのことでした。見た目で区別しにくいので(象のボディに丸い穴だけがあるのが普通袋用,丸い穴と半月上の穴があるのが厚手袋用です)購入するとき間違えないようにしてくださいね。
水に沈めて,このまま63度で120分ほったらかし。
それだけで完成です!
全体的に時間は掛かるけれど…
表面に塩を塗って…というところから考えると,確かに時間はかかるのですが,基本的にほったらかしておく時間がとても長いので,料理に拘束される時間が短くて済むのがありがたい♪
水島弘史シェフの低温調理の技に感銘を受けてから,いろいろな形でちょっとずつ取り入れていますが,鶏ハムもそのひとつ。
スライスして1食分ずつラップで包んで冷凍しておけば,ズボラランチを作るときに簡単に活用できるので便利です。
楽して高たんぱくライフを送るためにも,これからも効率よく鶏ハムを作っていきたいと思います。
第2回セルフ人体実験で,ヒトのからだの神秘に思いをはせる。
第2回なんちゃって5時間OGTT,決行しました。
今日までずっと装着していた「フリースタイルリブレ」。
使用期間中の最後の週末,再実験しない手はない! ということで,再びなんちゃって5時間OGTT(Oral Glucose Tolerance Test)を決行しました。
何それ? と言う方はぜひ先週の実験記事からお読みくださいませ。
実験方法のご紹介
なんちゃってOGTTの手順としては前回と同じく,
1. 10時間以上絶食の状態で,
2. ブドウ糖(グルコース)75gを水に溶かしたものを2-3分以内に摂取し,
3. ブドウ糖摂取開始時を0分として15分ごとにリブレで間質液中グルコース濃度を測定する
で行いました。
普段あまり立ち寄らない近所の薬局で100g入りのブドウ糖が買えることが今回わかったので,また挑戦したくなった時はそこで買うことにしよう(笑)。
先週と同じ時間から測り始めることができたので,今回は途中でナイアシン500mgを飲んでみて,グルコース濃度の低下勾配や両腕の冷感の違いを比較しようと思っていました。
ところが。
測定前から波乱の展開!!
ぬるいブドウ糖溶液を飲む前のリブレの数値はなんと53。
今から血糖値は乱高下する予定なんですけどね…大丈夫でしょうか,私。
いざとなれば中断もアリ,と腹をくくり,75g分のブドウ糖を飲み干しました。…
さて,5時間の推移はこんな感じになりました。
縦軸が間質液中グルコース濃度[mg/dL],横軸は時間[分]です。
ちなみに,前回の結果はこちら。
本日の結果に関して,「低血糖症と精神疾患治療の手引―心身を損なう血糖やホルモンの異常等の栄養医学的治療 (第5版)」にある診断のポイントをひとつずつチェックしてみると(ここでは,血糖値は間質液中グルコース濃度と読み替えます),
① 空腹時血糖は80-100が適切。 → 53でいきなりアウト!
② 随時血糖値,食後の血糖値は80-140が適切。 → 上は最大134ですが,下はもうエラいことに…。
③ 負荷後,血糖値は空腹時血糖の1.5倍以上に上昇。 → 約2.5倍。上昇率でいうと前回(2.2倍)より激しいです。
④ 負荷後の血糖値はすべて空腹時血糖の80%以上。 → 本来なら42.4を切ってはいけないはず。前回同様3時間後に80%を切りました。
⑤ 波は一相性で,FBSの最低値は負荷後3-4時間後にある。 → 波はひとつしかなく,最低値は3時間15分後なのでOK
(以降,インスリン値の絡む指標は省略…測定していないので)。
じつは今回,195分の時点でリタイアしました。
グラフ上40と出ていますが,195分と210分時の測定値は低すぎて表示されず,Low(測定下限未満)と出たのです。
これはさすがにヤバいと思って,195分にチーズ50g,210分にヨーグルト+蜂蜜,225分には残っていた焼き芋の切れ端にバターを乗せてチンして食べました。
無事にグルコース濃度が上がってきたのを見て,あぁ生きてる!って思った…。
肝心のナイアシン500mgは,実験開始から105分のところで飲みました。そのせいか,めちゃくちゃ低血糖のわりに冷感はさほど感じなかったのですが,頭がぼーっとする,物音にイライラしているという自覚はありました。グルコース濃度変化の勾配は,正直よくわからないなぁ…。ブドウ糖摂取と同時くらいに飲んでみればよかったです。
それにしても,こんなに前回とベースラインのグルコース濃度が違うとは思いもよりませんでした。前の晩に食べたものが影響しているのか,はたまた月経周期やホルモンバランスなどの関係なのか,…。n=1の実験だとやっぱり個人のムラが大きく出てしまいますね。
今回でリブレ実験はいったん終了にしたいと思います。
これを見て私もやってみよう!と思ってくださった方がいらっしゃればとても嬉しいですが,本当に挑戦なさるのであればどうぞ無理のない範囲で!!と強調しておきますね(自己責任ですのでね…)。
もちろん,こんな激しい実験をしなくても,リブレを使って日頃の食事とグルコース濃度の変化を確認するだけでも食べることへの意識がとても変わってくると思います。
またまたこんなマニアックな記事に最後までお付き合いいただき,ありがとうございました♪
子どもの発達の心配に対する分子栄養医学的アプローチの決定版,登場です!
楽しみにしていた書籍をまたまたご紹介します!
先日発売になったばかりの藤川徳美先生の最新刊「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」,一気読みしました 。
- 作者: 藤川徳美
- 出版社/メーカー: アチーブメント出版
- 発売日: 2019/09/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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藤川先生の書籍の中でも,子どもの多動症状や学習障害に特化した内容のものは初めて。まさにドンピシャで興味のある領域だったので,発売前から予約して待ち構えていました。
ちょうど今私が地味に続けているひとり読書会の本とテーマ的にも重なります。
基本は高タンパク・低糖質,そして鉄,メガビタミン
子どもの発達に関する問題に対しても,基本的な考え方は「うつ消しごはん」にもあったとおり,基本の考え方は高タンパク・低糖質,そして鉄とメガビタミンでATP産生をアップさせるというもの。
ここまではお馴染みですね。
子どもを対象とした今回の本ならではの特徴としては,
- 大人の脳の神経ネットワークは完成しているけど,子どもは発達途上なので大人よりも栄養不足はよりクリティカルな問題(「大人なら交通渋滞,子どもはインフラ不足」とありました)
- 親子で実践すると,まず効果を感じるのは母親。母親が元気になると子どもも元気になりやすい(∵母親のエネルギーが十分あって実行力が増す,母親が子どもに栄養療法を実践する上で自分の変化を確認してモチベーションが上がる)
の2点が強調されているように読み取れました。
そういえば,私の患者さんもお母さんのほうがお子さんに先行して元気になっていましたね…。
ちょっと気になったのは,ハーレル博士のエピソード。
ハーレル博士は,たしか母娘2代でダウン症への栄養療法を試みた医師として三石巌先生の書籍に登場していました。
三石先生の書籍の中では,「要するに彼女は,健康維持の必要量と,知能改善のための必要量は同じであると考えている」の件を若干懐疑的な文脈で語っておられたような…つまり,健康維持に必要な量よりも改善に必要な量のほうが多くあるべきだと三石先生ご自身は考えていらっしゃるようなニュアンスだったと記憶しています。
でも今,どの本でこのエピソードを読んだか思い出せないので,このことについてはまた別の機会に書きたいと思います。
後半の漫画は説得力満点!
巻頭にカラー漫画があり,本の後半には栄養改善に取り組む親子のエピソードが漫画で9例描かれています。
巻頭漫画はちょっぴりベタな展開(?)でしたが,実際に藤川先生のもとを訪れた親子のエピソード漫画のほうは実際にタンパク質や鉄をしっかり補充することで親子ともに変化していく様子がイメージしやすくてとても納得できます。
今のうちの職場の診療体制だと,お子さんのことで受診してくださったお母さんのカルテを作って血液検査を導入することをデフォルトにするのはちょっと難しいのですが,お母さんのほうからご要望があればできる範囲でお応えしていけたらいいなと思いました。
この本も,待合室行き決定です!
子どもからのSOSは年中無休だから、意識しておきたいこと
10月になりました
早いもので、もう10月に入って3日が過ぎました。
私の住む地域はいつまでも気温が高く、まだ全然実感がわかないのですが。
そういえば8月の終わりにこんな記事を書きました。
夏休みが明けて学校が再開するのがつらくて自殺する子どもたちが多いのは確かに9月1日かもしれないけど、子どもたちのSOSは一年中いつ発せられるかわからないから、いつでも受け止められる準備をしておきたいな、と。
1ヶ月経ったので、リマインド
自分のSOS受け止め態勢を改めて整える意味でも、中川翔子さんの「死ぬんじゃねーぞ!!」を読み返してみました。
「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない
- 作者: 中川翔子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
しょこたんさんの飾らない真っ直ぐな文章、ご自分で描いてらっしゃる漫画ページ。
実際の経験を文字や絵に落とし込んで分かりやすく表現する才能、羨ましすぎます。一瞬でぐんぐんあたまに飛び込んでくるんです。
今回読み直していちばん感じたことは
しょこたんさんのたくさんのいじめ体験のひとつひとつももちろんつらく苦しいことですが、エピソードの端々に出てくるのがいじめをいじめとしてきちんと取り合ってくれない大人の姿。
いじめられたことだけでも十分傷ついているのに、加害者の外ヅラのよさに騙されている大人、よくある「いじめられる側にも問題がある」理論を振りかざす大人、表面的な部分だけ取り繕う大人の対応でさらに深く傷つけられる。
大人だって、自分の身近なところで子ども同士のいじめがあるなんて考えることは気持ちのいいことではないけれど、だからと言って目をつぶったり、無かったことにしてしまったりすれば苦しむのは結局子ども。
そこはやっぱり大人が勇気を持って子どもをいじめから守らなくてはいけないと改めて思いました。
被害を受けている子どもを守るのはもちろんですが、大人がきちんと毅然とした態度で対応することがいじめる側の子どもにブレーキをかけてあげたり、目の前で起こるいじめに対して身動きが取れず、ただ傍観するしかできずに困っている子どもたちを助けることにもなる。
さぁ、10月も子どもたちの毎日の様子にしっかり目を配ろう。
気になる子にはさりげなく声をかけよう。
声をかけたとき嫌がられないように、声をかけられたら嬉しいと子どもたちに思ってもらえる大人でいよう。
…これからも折に触れてこの本のページをめくりたいと思います。
もちろん、発達障害でも働けます!!!
「発達障害でも働けますか?」を読みました
楽しみにしていた花風社さんの新刊「発達障害でも働けますか?」をようやく読了しました。
発達障害でも働けますか? 経済的自立とその先を目指すための成長戦略
- 作者: 座波淳
- 出版社/メーカー: 花風社
- 発売日: 2019/09/28
- メディア: 単行本
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少しずつ読み進めながら、私の知っている「発達障害の診断や特性を持ちながら働いている若者たち」のことを次々と思い浮かべていました。
そういう意味では、この本を読む前から「発達障害でも働ける」という確信は持てていたのですが。
発達障害でも働けるのは分かっていたけれど…
ただ、この本を読みながら改めて気づいたことは、彼らがみんな「発達障害の特性に特化した仕事でうまくいっているとは限らない」ということ。
たとえば、学校へ通えなくなってもデイケアにきちんと通えるようになっていたAくんが、会社に入ってからも無遅刻無欠席できちんと通い計画的に有給休暇をもらっていたり。
ひとつめの高校に通えなくなって通信制高校に転校したBさんが、やはり遅刻せずにきちんと通勤できていたり。
AくんとBさんはそれぞれ違う職場、公的機関と民間企業で働いていますが、2人とも「障害者枠で事務職」という共通点があります。特に事務系の資格や経験があるわけではないのですが…。
面白いことに働き始めた当初は2人ともが「仕事が少なすぎて 時間が余る/することがない のが悩みです」と私に打ち明けてくれていて。
障害者枠だから無理させちゃいけないと遠慮されているのか、障害者だからどうせできないと思われているのか、…???
それぞれ無事に就職できたことは嬉しかったのですが、私自身も2人の職場での様子をハラハラしながら聞かせてもらっていました。
ところが。
「上司が時々、ちょっとこの資料を作ってくれるかなって、突然普段と違う仕事を振ってくるようになりました。初めはびっくりしたけど、そういう無茶振りにも少しずつ慣れてきました」
「先月ひとつ新しい仕事が増えたんですけど、今月からまた新しい担当の業務が増えたんです。だんだん暇な時間がなくなってきてちょうどいいです」
と半年ぐらいのうちにそれぞれの能力に合った仕事がしっかりあてがわれるようになりました。
うまく働けているこの2人の共通点は?
やりたい以外の業務でも、真面目に一生懸命、健康を害さず仕事に取り組むことができる。
まさにここができているから、職場でも彼らの様子を見ながら彼らにできる範囲で少しずつ仕事の負荷を上げてくれているのだと思います。
もちろん周りの人と彼らなりにコミュニケーションを図っている様子も、話してくれるエピソードから伝わってきます。
学校の文化がすべてじゃない。
社会の職場のルールをしっかり守って真面目に自分に与えられた役割を果たすことができれば、発達障害特性があってもなくても社会は彼らを受け止め、必要としてくれる。
それが可能になるために何が必要で、どんなことに気をつけたらいいのか。
その大切なポイントがしっかり書かれた1冊でした。
そして読むにつけ、私のほうがAくんやBさんより社会性低いかも…と反省したりもして(笑)。
働いている人、これから働きたい人、就労支援に携わる人、誰にとってもなるほどと思える情報と出会える本ではないかと思います。
巻末付録も、今まで興味を持って学んできたことの頭の整理にとても役立ちました。とってもオススメです!
この本も待合室の本棚に置こうかな♪
子どもの注意や行動の障害を治す:診断(4) 行動面、知覚面、生物医科学的な、そして知能の検査…PD(知覚機能障害)テスト
火曜日恒例、ひとり読書会。
- 作者: Abram Hoffer
- 出版社/メーカー: CCNM Press
- 発売日: 2004/03/31
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
今回の診断法は、HODテストに基づいて作られた子ども向け検査、PDテストについて。
HODテストについてはこちらに詳しく書いてあります。
PD(知覚機能障害)テスト
・HODテストはその性質上10歳以下の子供にはうまく使えない。グレン・グリーン医師はより小さな子ども向けに知覚変化を口頭で尋ねる質問リストを作った。PD(知覚機能障害)テストは身体的精神的訴えを口頭で尋ねる100の質問から成る。子どもは笑われたり怒られたりすることを恐れることなく、症状を表現しやすくなる。パラノイアや抑うつ、思考能力はこの質問では聞けない。
質問は特別な感覚や身体的訴えを網羅するようゆるくグループ分けされている。固有受容覚の問題もさらにゆるくグループ化されている。回答は「ときどきある」「ある」「ない」の3段階で、「ときどきある」「ある」はほぼ同様にカウントする。
1. 読んでいる時、単語がぼやけたりにじんだりしますか?
2. 読んでいる時、目が霞みますか?
3. 読んでいる時、割と早く目が乾いたり疲れたりしますか?
4. 読んでいる時、頭痛がしますか?
5. 読んでいると時々、単語がちょっと動きますか?
6. 読んでいる時、単語が二つになりますか?
7. 読んでいる時、単語が近づいたり離れたりしますか?
8. 読んでいる時、単語が大きくなったり、小さくなったりしますか?
9. 読んでいる時、文字がごちゃ混ぜになりますか?
10. 読んでいる時、単語が後ろに下がっていきますか?
(この調子で100問あるので、ここから一部抜粋)
21. テレビの映像が違って見えますか?
31. あなたの聴力に問題を感じていますか?
41. 歩いていると自分が小さくなっていると感じますか?
51. 最近、自分の味覚が変わったと思いますか?
61. お腹や胸がよく痛くなりますか?
71. 学習することが難しくなったと感じますか?
81. これといって理由もないのに夜しばしば目が覚めますか?
91. あなたが誰かを見ると、おかしく見えたり違った感じに見えたりしますか?
100. 時々あなたの皮膚が毛皮やプラスチックのように感じられることがありますか?
・患者の臨床症状を知り、薬物療法がどのように聞いているかを知るためには、この検査はとても有益だとグリーン医師は言う。
ひとりごと
子どもが自分からは言い出しにくかったり、わざわざ言うほどのことではない(= みんなもそうだろう)と思っていたりすることをきちんとことばにして尋ねることの重要性を感じさせられる…。上手く聞き出せていなかったこと、今まであっただろうなと反省。
ビックリ! がっくり! 不登校の数字のカラクリと教員の働き方改革
不登校児への関わりと学校の先生方の働き方改革
先週たまたま教育委員会の方とお話をさせていただく機会がありました。
いろんな意味で衝撃を受け、その余韻がまだ頭の中から消えていきません。
最初に驚いてしまったことばはコレ。
脳内で一瞬のうちに大混乱が起こりました。
たしかに児童生徒さんの意思と無関係な、むやみに熱心な訪問・電話はやめてあげてほしいと願ってはいます。
それはそうなのですが、教員の働きかた改革のために児童生徒への放課後の熱心な関わりを止めるというのはなんか違和感があって。
うちの職場には不登校の子どもたちはもちろん、忙しい現場に疲弊して抑うつ状態に陥ってしまった学校の先生方も受診されるので、先生方の大変さについてはある程度分かっているつもりですし、働き方改革そのものにはもちろん大賛成ではあるのですが…。
実際、共働き家庭の多い最近はお母さんに連絡しようにも19時過ぎまで電話が繋がらないとか、不登校ではあっても塾に行っているお子さんが21時過ぎまで帰ってこないとかいうケースも多く、放課後の児童生徒や親御さんとの関わりは本当に難しくなっているようです。
モヤモヤ、さらに増幅する
そんなところでモヤモヤしていたとき、さらに「不登校の数字のカラクリ」を教えていただいてしまいました。
文部科学省の不登校の定義は病気などの特別な理由なく年間30日以上欠席することだ、と。
もちろんそれは知っていたのですが、問題はこの続き。
年間30日以上欠席してしまったら、その子が年度内に再登校できるようになっても、その年度の不登校児1名としてカウントされる。
あああっ、そうかぁ!!!
とてもおかしな話に思えますが、その年度の欠席を30日以上してしまった児童生徒に先生方が一生懸命関わり続けて仮に再登校できるようになったとしても、その子はその年度は「不登校児」扱いなのです。
だから、不登校児と確定してしまった子どもへ放課後などに多大な時間をかけて関わることは、不登校を減らすことにつながらない過重労働だとされかねない…。
ううむ、ますますモヤモヤ。
「この子はもう欠席が30日を超えちゃったから、一生懸命関わっても無駄だよね、どうせ不登校だし」という発想の先生が現れないかと危惧してしまうし(そんな先生はいらっしゃらないと信じたい!)、逆に児童生徒の気持ちを丁寧に汲み取りながらちょっとでも元気に学校に通えるようになってくれたらと真摯に関わり続けてくださっている先生方の努力が不登校児童生徒数という大雑把な評価では全然表に現れてこないということも無念だし。
定義なんてどうだっていい。大事なことは…?
まぁ、不登校の定義がどうであろうと、私たち支援者はお子さん本人と親御さんと協力しながら、お子さんが将来少しでも楽しくイキイキと幸せにと過ごせるために必要な力を蓄えるお手伝いをしたいという思いは変わらないわけで。
不登校児童生徒数という数字に振り回されず、学校の先生方の過酷な労働状況にも思いを馳せながら、目の前のお子さんのために力を尽くしたいなと思った次第です。
そして、お子さんが学校に行けるようになったり、学校の友達や先生方と少し繋がってみたいという気持ちになったり、学校とは無関係でも楽しいことや意欲を持って取り組めることを見つけたりできたら一緒に喜びたいと思っていますし、その喜びの輪の中に学校の先生にも加わっていただけたら嬉しいなぁ…と思っています。